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【手順や出来栄えを紹介!】自分で剣道の袴を染め直した話【結果、大満足!】

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  • 昇段審査で使用予定の袴の色あせが気になる。
  • 新調するのも手だけど、今ある袴でなんとかしたい。
  • 自分で染め直すのって、実際のところどうなんだろう?

という人いませんか?

先日、七段審査に向けて長年はいた袴の染め直しに挑戦しました。

この記事では染め直しの手順や、実際にどれくらい染まったかについて紹介します。

個人的な感想はこんな↓感じ。

袴を自分で染め直す
  • 準備を念入りにすればしっかり染められる!
  • 新調するより断然安い!
  • 手間はかかる。けどその分だけ袴に愛着が持てる!

染め直しって実際のところどうなんだろう?
と思う人はぜひ見ていってください。

ゆーき

剣道着の染め直しを考えている人もどうぞ!

今回使用した染材はこちら↓。

そもそも色あせた剣道着・袴は審査に悪影響があるのか?

そもそも色あせた道着・袴は審査に悪影響があるのでしょうか?
僕は、段位が上がるほど悪影響があると考えています。

審査員が受審者をチェックする項目の一つに着装があるのは事実です。
その際、高段者になるほど、それ相応の風格・品位も求められます。
しかしながら、色あせた剣道着・袴では風格・品位を出すのが難しいです。

寺地種寿教士八段も、2024年2月に長野で開催された剣道六・七段審査会の寸評でこう述べています。

 審査の着眼点で、『正しい着装と礼法』とありますが、立合いの前に確りと準備をして下さい。面紐の長さは結び目から40㎝以内、手拭いが頭からヒラヒラ、袴の裾が前上がり、垂を締めた後の腰辺りの剣道着と袴の皺、色あせた剣道着・袴、自分勝手の礼法や着装によって、風格・品位が損なわれています。事前の準備点検を万全にして審査に臨んで下さい。

2024年2月剣道六・七段審査会(長野)寸評より


また、山崎尚範士八段も、2024年5月に愛知で開催された剣道六・七段審査会の寸評でこう述べています。

 まず、最初に剣道着・袴については、必ずしも新しいものでなくてもいいですが、色あせしていないものを準備し、正しい着装をする。剣道具については自分の体格にあったものを身に付けること、竹刀は相手に怪我をさせる危険性があるため、審査の時はもちろん常に稽古の前後に必ず点検することを心掛ける。面紐の結び目も正しい位置で結んでください。

2024年5月剣道六・七段審査会(愛知)寸評より


もちろん、それだけで不合格になることはないでしょう。
しかし、立合いが始まる前からマイナス評価がついてしまう可能性はあります。

詳しくはこちらの記事で。

【剣道】昇段審査で色あせた剣道着・袴を避けるべき3つの理由【高段位ほど要注意】 剣道着・袴が色あせている気がするけど、昇段審査で着ても大丈夫かな? 昇段審査に向けて剣道着・袴を新調した方がいいのかな? ...

自分の袴(剣道着)の色あせ具合が許容範囲なのかわかんない…。

という人は、NGと思った方がいいでしょう。

どこまでが許容範囲で、どこからがNGかなんて明確な基準はありません。
あれこれ悩むくらいなら、早々に新調するなり染め直しましょう。

ゆーき

僕もそう考えて染め直しに挑戦しました!

染料(Re:color剣道 藍道)の購入

さて、染め直しをするにあたり染料が必要です。
私はこちらのキット(Re:color剣道 藍道)を購入しました。

ゆーき

今回は上下片方分を購入しましたが、2倍の量が入った上下用もあります!

染料(Re:color剣道 藍道)の中身

商品の中身はこんな感じです。

  • 取扱説明書
  • インディゴ
  • アルカリ剤
  • 還元剤
  • 手袋

取扱説明書

電子データがあったのでこっちを貼っておきます。

インディゴ、アルカリ剤、還元剤

染液を作るのに使用します。

注意事項はこんな感じ↓です。

  • 保管時の注意点
    • 日光の当たらない涼しいところで保管
    • 高温多湿を避ける
    • 開封時には全量を使い切る
  • 取扱時の注意点
    • マスク着用
    • 付属の手袋を着用
    • 粉を吸わないように注意する。
    • 目に入った場合は直ちに流水で15分洗眼する(保護メガネの着用を推奨)
    • 肌や服につくと染まる(エプロン等の着用を推奨)
    • 取扱後は手や顔をよく洗う

手袋

染液はアルカリ性です。
作業時には必ず手袋をつけましょう。

ただし、付属の手袋は正直しょぼいです。
すぐ破れそうですし、手首のところも短くてそこから染液が入ってきそうです。

可能なら手袋は自分でも用意して、二重にすることをおすすめします。

ゆーき

さらに手首を輪ゴムで止めるとなお良しです!

その他の準備物

説明書に書いてあるものや、あったら便利だろうと思って準備したものはこちら

  • 染めたい袴
  • バケツまたはタライ
  • 空のペットボトル
  • 穀物酢(400mL)
  • 手袋と輪ゴム
  • マスク・保護メガネ
  • かき混ぜ棒
  • 袴ハンガー
  • 汚れてもいい服

染めたい袴

今回は試合・審査用として15年以上はいた袴を染めます。
大事にはいていたので15年物にしては綺麗なのですが、それなりに色落ちしています。
七段審査に向けて剣道着を新調したので、上下の色の違いが余計に気になるようになり、今回染め直すことにしました。

袴は事前に洗って汗や皮脂を落としておきましょう。
染めムラの原因になります。

Q:染めた後に白い粉が出てムラになります。

A:汗や皮脂の汚れと思われます事前に良く洗濯してから染めてください。

戸谷染料商店公式サイトより


そして、染める前には濡らして絞っておきます。

ゆーき

剣道着を染め直すの場合も準備は同じです!

バケツまたはタライ

染液を入れるためのバケツ(またはタライ)です。

説明書には染液用とすすぎ用の2個必要とありますが、使うタイミングが違うので1個でもOKです。

今回の上下片方用のキットでは染液は7Lできます。
染める際に袴を浸したりするので、容量は10L以上のものが好ましいです。

ゆーき

ちなみに、上下用を購入した場合は染液が14Lできます!

今回は容量20Lくらいの金タライを用意しました。

材質は陶器やプラスチック製が推奨されていますが、今回は無視しました。

空のペットボトル

水の量を測る時にあると便利です。

測ることができればペットボトルでなくても大丈夫です。

穀物酢(400mL)

穀物酢は色止めに使用します。

お酢自体は家にある場合が多いですが、量に要注意です。

  • 400mLも残っているのか?
  • 一気に400mL使って家族に怒られないか?

事前に確認して、必要であれば買っておきましょう。

手袋と輪ゴム

商品付属の手袋はしょぼいです。

自分でも用意しておいて、二重に着用して、手首を輪ゴムで止めましょう。

ゆーき

色止め行程の時にも使うのがおすすめです!

マスク・保護メガネ

インディゴ、アルカリ剤、還元剤の注意事項を再度見てみましょう。

  • 保管時の注意点
    • 日光の当たらない涼しいところで保管
    • 高温多湿を避ける
    • 開封時には全量を使い切る
  • 取扱時の注意点
    • マスク着用
    • 付属の手袋を着用
    • 粉を吸わないように注意する。
    • 目に入った場合は直ちに流水で15分洗眼する(保護メガネの着用を推奨)
    • 肌や服につくと染まる(エプロン等の着用を推奨)
    • 取扱後は手や顔をよく洗う

粉を吸わないよう、マスクは必ずしましょう。

また、目に入ると作業が中断されてしまうので、保護メガネで目を守りましょう。

保護メガネと言っても、目が守れるなら何でもいいです。

ゆーき

僕は普通のメガネをかけて作業したよ!

染まってもいい服

注意事項にもあるように、染料が肌や服につくと染まります。

肌の方はいずれ落ちるでしょうけど、服の方はそうはいきません。

染まってもいい服で作業するのがおすすめです。

例えば、

  • そのまま捨ててもいい服
  • 部屋着など、染まっても気にならない服
  • 黒・紺色など、染まっても目立たない服

といった服です。

ゆーき

僕は着古した紺色のジャージで作業したよ!

かき混ぜ棒

染料を作る過程で、インディゴやアルカリ剤、還元剤を入れてかき混ぜるための棒です。

容器の底からかき混ぜることのできる長さのものを用意しましょう。

もちろんかき混ぜ棒も染まるので、そのまま捨てていいものがおすすめです。

ゆーき

僕はタライの底が浅かったから割り箸にしたよ!

袴ハンガー

作業途中で袴を乾かすときに便利です。

洗濯用のズボンハンガーでも代用できます。

剣道着を染める場合は、袖の部分が伸びるハンガーがあると便利です。

行程⓪ 事前準備

準備物を揃えたらさっそく染めていきたいところですが、大切な事前準備をしておきましょう。

⓪-1袴を洗う

染める袴は事前に洗っておきましょう。

袴に汗や皮脂が残っている場合、うまく染まらない原因になります。

Q:染めた後に白い粉が出てムラになります。

A:汗や皮脂の汚れと思われます事前に良く洗濯してから染めてください。

戸谷染料商店公式サイトより


今回染める袴は、もともと洗って保管していたので、この工程は飛ばしました。

⓪-2袴を濡らして絞る

⓪-1で袴を洗う場合は、乾燥させずに脱水した状態にしておけばOKです。

⓪-1を飛ばした人は忘れないよう注意しましょう。

⓪-3作業場所(染める場所・干す場所)と、そこまでの移動方法の確認

今回、僕は風呂場で染めました。

理由はこんな↓感じです。

  • 浴室暖房がついているので染液の保温ができる
  • 染液で汚れても掃除しやすい

真冬だったので、すぐ染液の温度が下がると思って浴室乾燥の利用を選択しました。
もっと暖かい時期に、換気しながらする方がいいとは思います。

また、風呂場なので作業後の掃除はしやすかったですが、それでも多少藍で汚れました。
ビニールシートや広げたビニール袋を下に敷いた方がよかったです。

染める場所にはビニールを敷くと後が楽!

また、干す場所と、そこまでの移動方法も考えておきましょう。
今回は屋外の物干し場に干すことにしましたが、そこまでの移動方法を考えていませんでした。

染液がぽたぽた垂れる袴を持って、どうやって床を汚さずに物干し場まで移動したらいいのかと途方に暮れました。。

染める場所と干す場所までの移動方法も考えておく!

ゆーき

結局、家族にバケツを持ってきてもらい、その中に袴を入れて運びました!

行程① 染液を作る

事前準備ができたら、まずは染液を作っていきましょう。

①-1 7Lの水を用意する

バケツやタライに水を7L入れます。

この時、温度に要注意です。
染液の推奨温度は20〜40℃です。

  • 染液の温度が高いと濃く染まる。
  • 染液の温度が低いと淡く染まる。

今回は、

  • 可能な限り濃く染めたい
  • 時間が経てば染液の温度は下がってしまう

と考えて、給湯器で設定できる最高温度の60℃の水を7L入れました。

水の量は空のペットボトル(1L)を使って測りました。

①-2インディゴを入れてよくかき混ぜる

水を入れたタライの中にインディゴを入れます。
開封の時に粉が飛び散らないように注意してください。
入れた後はかき混ぜ棒を使ってよくかき混ぜます。

①-3アルカリ剤を入れてよくかき混ぜる

次にアルカリ剤を入れます。
インディゴの時と同様に、開封の時に粉が飛び散らないように注意してください。
入れた後はかき混ぜ棒を使ってよくかき混ぜます。

①-4還元剤を撒くように入れて空気が入らないように混ぜる

お次は還元剤を入れます。

銀色の袋の中に透明の袋に入っています。

この時、還元剤は撒くように入れるのがポイントのようです。
きっとダマになりやすいのかも。

入れた後はかき混ぜ棒で空気が入らないようにかき混ぜます。

還元剤を開封する時に硫黄のような匂いがします。
毒性はないですが換気をよくしてください。

15分ほどで液上に藍色の泡【藍の花】がたちます。
…とありますが、良くわからなかったです。。。

藍の花はよくわからないものの、とりあえず染液は完成しました。

行程② 染める

さて、いよいよ染めていきます。

②‐1 袴を染液に浸す

袴を揉むようにして、まんべんなく染液を吸収させます。
そして、約1分間、あまり空気に触れさせないように漬けます。

②‐2 取り出してよく絞る

容器から袴を取り出して、よく絞ります。
結構大変ですが、頑張って絞りましょう。

②‐3 袴を広げて空気を均一にあてる

よく絞ったら、今度は袴を広げて空気を均一にあてましょう。
時間は約1分です。

空気にあてることで、黄緑色が藍色に変化します。
正直、この色の変化はよくわからず。。

②‐4 3~4回繰り返す

②‐1から②‐3の工程を3~4回繰り返します。

  • 繰り返す回数が多いほど濃く染まる。
  • 繰り返す回数が少ないほど淡く染まる。

今回はとにかく濃く染めたかったので5回繰り返しました。

工程③乾かす

繰り返し染めたらいったん乾燥させます。
乾くまでしばらく干し場にかけておきましょう。

この時、袴ハンガーがあると便利です。

工程④色止め

袴が乾いたら今度は色止めをします。
染める時程ではないですが、藍色がつくので手袋着用を推奨します。

④‐1 色止め液を用意する

まずは色止め液を作ります。

  • 水 5L
  • 穀物酢 400mL

をタライに入れてよく混ぜます。

④‐2 袴を裏返しにしてしっかり浸す

乾かした袴を裏返して、色止め液に浸します。
浮いてこないように重しをして、30〜60分ほど浸します

④‐3 軽く水ですすぐ

浸した後は、酢が抜ける程度に軽く水ですすぎます。
今回は3回すすぎました。

ゆーき

よくわからないけど、きっと酢は抜けたはず!

④‐4 乾燥させる

すすいだあとは再び乾燥させます。
乾いたら完成です。

出来栄え確認

染直した袴の出来栄えを写真で確認しましょう。
まずは染める前(Before)の写真です。

今回染める袴は右の袴です。左の袴は参考用に並べた別の袴です。
藍色の濃さは参考の袴と同じぐらいでしょうか?

では次に染めた後(After)の写真です。

どうでしょう?
参考用と比べて、明らかに濃く染まっています。
個人的には大満足です。

それなりに大変でしたが、その分達成感もあります。
また、袴に対する愛着も一層湧きました

ゆーき

絶対にこの袴で七段合格しようと決意しました!

ちなみに名前の刺繍(白)も綺麗に紺色に染まりました。
これは個人的にはOKですが、そうじゃない人は要注意です。

糸の素材によっては染まりにくいものもあるようです。
金色とか、化学繊維っぽい素材の刺繍糸は染まらない可能性が高そう。

刺繍の糸は素材によっては染まらない。

染め直しにかかった費用は?

染め直しにかかった費用をざっくり計算してみましょう。

  • 染材 2000円前後
  • お酢  200円前後
  • 合計 2200円前後

今回はタライや袴ハンガーやマスクなどは家にあるのを使いましたが、全部買っても4000円収まるのではないでしょうか?

審査用にそれなりのものを新調するとしたら1万円は超えてくると思います。

染め直す方が断然安いです。

「Re:color剣道 藍道」で袴を自分で染め直してみよう!

この記事では、染め直しの手順や、実際にどれくらい染まったかについて紹介しました。

袴を自分で染め直す
  • 準備を念入りにすればしっかり染められる!
  • 新調するより断然安い!
  • 手間はかかる。けどその分だけ袴に愛着が持てる!

今回染め直した袴は今後も大事にしていこうと思います。

色落ちが気になる袴や剣道着があれば、ぜひ染め直しに挑戦してみてください。

以上です。ありがとうございました。

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