剣道の昇段審査会は、初段~五段が都道府県単位で開催されていたのに対し、六段からは全国規模での開催となります。
全国から受審者が集まるため、五段までの審査会とは雰囲気も一味違います。
受審者自身も、遠方まで「昇段審査遠征」をするケースが多いです。
会場にも馴染みがないですし、審査の流れも各都道府県での審査とは異なる場合もあります。
違いに戸惑って審査に集中できなかった…。
なんて事のないように、事前に審査会当日の流れと8つの注意点を確認しておきましょう。
現在七段審査に挑戦中の僕が過去の経験をまとめました。
- 初めて六段審査を受審する!
- 七段審査を受審するが、六段審査の時の流れを忘れてしまった…。
- 久しぶりに審査に挑戦するぞ!
という方はぜひ参考にしてください。
- 年齢によって受付時間が異なる
- アップ会場はないことを想定しておく
- 立ち合い時間は六段は1分前後、七段で1分30秒前後
- 立ち合いをした相手との最後の立礼と、次に立ち合いをする相手との最初の立礼は一回でまとめて行う
- 実技審査が不合格だった場合、審査員の大まかな評価を教えてもらえる
- 剣道形審査で使用する木刀は用意しなくてよい
- 剣道形審査は間違えてもやり直さない
- 剣道形審査で不合格だった場合、1年以内なら再受審が認められる
受付時間に間に合うように会場へ
受付時間に間に合うように会場に向かいましょう。
審査は午前の部と午後の部があり、それぞれで受付時間は異なるので要注意です。
ここ最近の要綱を見ると↓のように分けられています。
六段審査
- 午前の部(50歳以下)→ 9:00~9:30
- 午後の部(51歳以上)→12:30~13:00
七段審査
- 午前の部(54歳以下)→ 9:00~9:30
- 午後の部(55歳以上)→12:30~13:00
あくまで参考ですので、実際に受審する際は要綱で確認してください。
受付は生年月日に応じて複数個所で行われています。
↓みたいな掲示があるので、それを見て自分の受付場所を確認してください。
○○年○○月○○日 ~ △△年△△月△△日生
受付では、審査の注意点が書かれた紙と、受付番号が書かれた受審票がもらえます。
受審票には以下の記載に誤りがないかを確認しましょう。
この情報をもとに連盟への登録や証書の作成が行われます。
もし誤りがあれば受付に伝えましょう。
また、受審票には受審番号(実技審査の番号)の欄がありますが、この時点では記載されていません。
着替え・ウォーミングアップ
受付を済ませたら、待機場所(だいたい観覧席)に行って着替えましょう。
着替えが終わったらウォーミングアップをしたいところですが、アップ会場がない場合もあります。
その場合、周囲の人の迷惑にならないように注意しながら、準備体操や素振りをする程度になります。
※2023年4月の京都審査、8月の福岡審査、11月の名古屋審査ではアップ会場はありませんでした。
最近はコロナの関係でアップ会場を用意していないのかもです。
基本的に、アップ会場はない前提で準備しておく方がいいです。
実技審査の組み合わせ発表
受付時間が過ぎてから、運営側で実技審査の組合せを決定します。
基本的には生年月日順ですが、いくらかコンピュータによる調整が行われます。
調整内容はあくまでうわさですが、↓のようなことを行っているようです。
- 同じ都道府県の人同士は当たらないようにする
- 過去に審査で当たった人同士も当たらないようにする
ただ、六段審査で当たった人と七段審査でまた当たったという話も聞きますので、どこまで配慮されているかは謎です。
組合せが決まったら、受審者に発表されます。
割り当てられた審査会場に集合するようにアナウンスされるので、集合しましょう。
その後、各審査場で審査を行う順番に名前を呼ばれます。呼ばれたら前に行き、受審票を渡します。
その際に、受審番号の書かれたシールを正面の大垂に貼ってもらいます。
受審番号の見方は↓です。
基本的にA,B,C,Dの4人一組です。
この例だと、「第1審査会場の7組目のB」ということになります。
受審者全員に受審番号が発表されたら、番号順に実技審査が行われます。
実技審査
実技審査は組ごとに↓の順番で立ち合いを行います。
立ち合いの時間は、六段は1分前後、七段で1分30秒前後です。
立会人の方が手元の時計を確認して、キリの良いところで止めをかけます。
1回目の立合いが終わると、そのまま連続で2回目の立合いに入ります(A以外)。
注意点としては、立ち合いをした相手との最後の立礼と、次に立ち合いをする相手との最初の立礼は一回でまとめて行うということです。
例えば、AーBの立ち合いが終わり、双方が5歩退がって立礼をしようとしているとします。
その時Cは、Aが5歩退がって立礼する位置の隣(審査員側)でスタンバイします。
そして、A,B,Cの3人が同時に立礼をします。
その後、Aは審査場から出て、BとCは帯刀して3歩進んで立ち合いに進みます。
立ち合い前の大事な時ですので、集中が乱されないようしっかり頭に入れておきましょう。
ちなみにグループ最後のA-Dの立ち合いが終わった後は、次のグループのAーBと4人で立礼します。
実技審査の合格発表
実技審査は5組程度を連続して行うと、1回休憩を挟みます。
どのタイミングで休憩を挟むかは事前に組合せ発表の際に伝えられます。
休憩の間に、終わった実技審査の結果を集計し、合格者を発表します。
審査員6人中4人以上が〇を付けたら合格です。
発表は審査会場ごとに、合格者の受審番号を掲示する形で行われます。
自分の受審番号があった方は合格です。次の剣道形審査へと進みます。
実技審査が不合格だったら、、
残念ながら実技審査が不合格だった場合、審査員の大まかな評価を教えてもらうことができます。
受付場所で評価通知用のハガキをもらえるので、宛名と氏名、受審番号を記入して渡します。
そうすると、約1週間程度で送られてきます。
おそらく、〇をつけた審査員の人数で3段階で評価しています。
- A:あと一歩です(6人中3人が〇)
- B:ある程度の評価です(6人中1~2人が〇)
- C:厳しい評価です(6人全員が×)
自分が審査時に感じた手ごたえと照らし合わせて、次回の審査の参考にしましょう。
剣道形審査
実技審査に合格したら次は剣道形審査です。
実技審査合格者は審査会場ごとに集合するように言われますので、胴は外した状態で集合します。
剣道形審査で使用する木刀は全剣連で用意されるので、手ぶらで構いません。
そして剣道形審査用の受審番号が書かれたシールに貼り替え、剣道形審査の会場へ移動します。
剣道形審査会場は基本的に一会場のみです。ここで各実技審査会場での合格者と合流します。
剣道形審査は、正面に3名の審査員がいる前で、5〜10組程度が1列に並んで同時に審査を行います。
組合せは番号順で、打太刀・仕太刀も番号順に交互に振り分けられます。
号令は「はじめ」のみで、その後は相手と呼吸を合わせながら進めていきます。
もし、途中で間違えてしまった場合もそのまま続けてください。
手を挙げてやり直すということはしません。
剣道形審査の合格発表
一度に集められた受審者全員の審査が終了したら、その場で集計し合格発表となります。
3人の審査員のうち2人以上が〇を付けたら合格です。
実技審査とは対照的に、剣道形審査は不合格者の方が少ないので、不合格者を発表する形になります。
剣道形審査に合格したら晴れてご昇段です。おめでとうございます!
後日登録料の振込用紙が送られてくるので振り込みましょう。
登録している都道府県の剣道連盟に証書が届くので受け取って完了です。
剣道形審査が不合格だったら、、
残念ながら剣道形審査で不合格になった場合、1年以内なら再受審が認められています。
せっかくヤマ場である実技審査を突破したのですから、必ず再受審しましょう。
流れを理解して当日は審査に集中しよう
剣道六段・七段の昇段審査当日の流れと注意点をまとめました。
事前に頭に入れておくことで当日は審査に集中できるようになるはずです。
- 年齢によって受付時間が異なる
- アップ会場はないことを想定しておく
- 立ち合い時間は六段は1分前後、七段で1分30秒前後
- 立ち合いをした相手との最後の立礼と、次に立ち合いをする相手との最初の立礼は一回でまとめて行う
- 実技審査が不合格だった場合、審査員の大まかな評価を教えてもらえる
- 剣道形審査で使用する木刀は用意しなくてよい
- 剣道形審査は間違えてもやり直さない
- 剣道形審査で不合格だった場合、1年以内なら再受審が認められる
とはいえ、僕が過去に経験したことをまとめたものですので、今後の審査も必ず同じとは限りません。
実際に受審する際は要綱等をよく読んで、確認できるところは確認しておいてください。
以上です。ありがとうございました。